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■は行の植物リスト

は行の植物

2007年1月 2日

07年 1月 ガーデンプランツ (レインワルチア、大実ツルコケモモ、エクメア「ブルーレイン」、カランコエ「デザートローズ」、ビバーナム・ティヌス

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エクメア「ブルーレイン」  Aechmea ` Blue Rain ´ 園芸種   パイナップル科
○セールスポイント
エクメアにはファシアータ、サンゴアナナスなど、花の美しい種類が多く、一世を風靡。同じ仲間のグズマニアは目まぐるしく進化し、今では主要な鉢花として人気。エクメアには未来型の花の出現花が待たれる。それが本種。真っ赤な花茎に青紫色の小花が宝石のように輝く。

○付き合い方
寒い季節、暖かい室内は異空間。青い宝石を散りばめたような花を見ながら空想の世界を旅する。寒さには注意、時々、葉水をスプレー。花は2ケ月位楽しめる。置き場所は明るい室内。夏、株元に子株(吸枝)が出、ある程度の大きさになったら切り離し、水苔を巻いて小鉢に移す。


クラウンベリー(Cranberry)(別名:大実のツルコケモモ)  Vaccinium macrocarpon  
             北アメリカ東部原産              ツツジ科
○セールスポイント
秋遅く畑が真っ赤なると言う。そこに水を張り、クラウンベリーの実を浮かべ収穫、ジャムの原料。園芸品種も多い。同じ仲間のブルーベリーやコケモモは白い提灯状花、本種は違う。花弁は細く反転、下向きに咲く。その可愛い花に大きな実をつける。実は酸味が強く生食に不向。

○付き合い方
蔓性の為、腰高の鉢に単品で植えるか、ハンギングの寄せ植えに入れ、茎を下垂させる。又、長く伸びた枝は切り詰め、和風の鉢で床の間にも飾れる。春、鹿沼土にピートモスを混ぜた酸性の土で植え替える。場所は日当たり。真夏は乾燥に注意し半日陰に。地植えは低い場所に。


カランコエ「デザートローズ」(別名:唐印)   Kalanchoe thyrsiflora ` Desert Rose ´
                  南アフリカ原産       ベンケイソウ科
○セールスポイント
戦後の趣味の園芸はサボテンや多肉植物で始まった。それらの植物は輸入されると日本名が付けられ、その名は現在でも使われている。本種もその一つ、1950年代に導入され「唐印」の名が付く。本種は葉全体が美しい赤銅色。「デザートーローズ」は「砂漠のバラ」の意。

○付き合い方
大きくて丸い葉が幾重にも重なった大株が良い。鉢はブリキ製かテラコッタ。植物の持つ魅力が十分感じ取れるようにして楽しみたい。置き場所は日当たりの窓辺。冬は保温に努める(10℃以上)。古株になると抽台し背丈が60cm位になり、黄色い筒状花を咲かせ芳香を放つ。


レインワルチア(別名:雲南月光花) Reinwardtia indica インド北部原産  アマ科
○セールスポイント
アマ科でよく知られているのは「リナム」。大家族で花色は豊富。昔から繊維や油を採った有用植物「亜麻」も含まれる。本種は2種のみの小家族。5枚の花弁が深く重なり合い、まん丸で大きなお月様のような花を晩秋から春に咲かせる。葉は鮮緑色で茎は細く、草のような亜低木。

○付き合い方
花付きの鉢植えを入手したら、日の当たる軒下か室内の窓辺に置く。春になったら一回り大きい鉢にやや深めに植え替え、肥料を与える。更に茎を半分位に切り戻すと夏には株元から吸枝が多数出て株が茂る。太平洋岸の暖地なら地植えも出来るが、冬に葉は痛み、花は春になる。


ビバーナム・ティヌス    Viburnum tinus 地中海地方南東部原産   スイカズラ科
○セールスポイント
真冬の庭で濃緑色の小葉を密生させた低木に赤い蕾が枝先に固まって付く。同時に別の枝にはメタリックブルーの美しい実が成る。ビバーナムの仲間は大変多い。本種は樹姿がコンパクトで英国では古くから植えられてきた。今日では多くの園芸品種が生れ、矮性種や班入葉種が人気。

○付き合い方
冬の寄せ植え材料として、最適。春になると可愛い白色の5弁花が咲き、かすかな芳香が楽しめる。大きくなったら庭に地植えしても良い。場所は日当たりでも日陰でも良く、土壌はあまり乾燥し過ぎない事がポイント。他のビバーナムと同様、本種も害虫が付きやすい為、注意。

Posted by nagara at nagara : 07:40

2006年12月22日

12月のガーデンプランツ(コーレア、エラチオールベゴニア「アールヌーボー」、磯寒菊、斑入天竺菅、ペルネぺッチア)

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ガーデンセンターおすすめ/06年12月ガーデンプランツ

ペルネッチア「ウインタータイム」 (別名:真珠の木)                Gaultheria mucronata 「Wintertime」   チリー、アルゼンチン原産 ツツジ科
○セールスポイント
18世紀にイギリスに導入され、今日までに数多くの園芸品種が生み出された。日本へは昭和40年代に導入され「真珠の木」の名で種苗カタログで販売されたが普及しなかった。近年、オランダで生産された完成品が直接輸入されその美しさからあらためて注目を浴びるようになった。

○付き合い方
冬は暖房の効いていない室内か屋外。春になったら植え替えをする。ピートモス単用のものは根を水洗いし、ピートモスと鹿沼土の混合土で植え直す。4~5月頃に白~薄桃色の可愛い花が咲く。実を付ける為には異なった株を一緒に置く必要がある。夏は半日陰で涼しく管理。

エラチオール・ベゴニア「アールヌーボー」     Begonia ×Hiemalis       
              園芸種               シュウカイドウ科
○セールスポイント
1960年代、業界の誰もが羨望の眼で見つめていた花、「リーガースベゴニア」は生産者の努力で良品が大量に生産されるようになったが、あきられた。イメージを一新した新品種の登場が待たれていた。そこで登場したのが本種など。育成者は愛知の鉢花生産者「戸谷猛氏」。

○付き合い方
植物は声を出さない。そして我慢する。環境が悪ければダメージは蓄積し、この植物の魅力が十分伝わらないまま花は終わってしまう。冬は低温に注意し光も十分に当たる窓辺に置く。潅水は必ず午前中。花の終わった株は春に切り戻しをして、植え替える。夏は涼しく管理。

イソカンギク(磯寒菊)  Aster pseudo-asa-grayi 日本(山陰地方か?)原産  キク科
○セールスポイント
茎は太く多肉質、地面を這う。葉も肉厚、丸くて小さいが、艶があり冬の光を浴びて輝く。茎の先端部には花径4cmにもなる大きな青色デイジー状花が咲く。その祖先は暖かい奄美大島などに自生するハマベノギクと言われる。なのに何故か雪の舞う頃、屋外で咲く変わり者。

○付き合い方
腰高の鉢か、大きめの軽石に穴を開け植え込む。ロックガーデンには最適。常緑の多年草で古株になると茎は木質化。寒さには強そうに思われるが意外にも寒風を嫌い、真冬は霜よけがあると安全。乾燥が過ぎると葉を落とす。春から夏は肥料と水を十分に与え生育を促す。

コーレア・リフレクサ    Correa reflexa  オーストラリア南部原産                                       ミカン科
○セールスポイント
ミカン科と言えば熱帯アジア原産の柑橘類がその代表。遠く離れた豪州においてはボロニア、サザンクロスなど乾燥に強い常緑低木として異なった進化をした。それらの花はどれも可愛く魅力的。本種は細長い筒状、紅色、先端部、緑黄色。種間交雑による園芸品種も多い。

○付き合い方
花が釣り鐘状で年末の頃よく咲く為、クリスマスの鉢植えや寄せ植えに最適。置き場所は軒下か室内。厳しい寒さを嫌う為、潅水は控えめ。地植えは不向き。春になったら一回り大きめの鉢に植え替える。用土は培養土に鹿沼土を2割程混ぜた土が良い。夏は半日陰で長雨に当てない。

班入テンジクスゲ(天竺菅)   Carex phyllocephala  `Sparkler´        
                北アメリカ原産         カヤツリグサ科
○セールスポイント
スゲは日本に200種も自生。殆どが雑草。古くは「菅笠」の材料。葉は細く、節間がない。花茎だけが伸びる。本種は異端者。茎を伸ばし節々に幅の広い葉を付ける。そして美しい外班入葉に。植木の産地、稲沢で発見されたと土地の人は言う。量産されていないのが残念。


○付き合い方
茎は30cm以上になり常緑。成長は遅くなかなか株は殖えない。庭に地植えしても良いがもったいない。和風の観葉植物として苔玉や鉢植えにして楽しみたい。耐陰性強く、室内で長く保つ。年数を経て株が大きくなったら日陰の庭におろすのも良い。寒さに強く過湿を嫌う。

Posted by nagara at nagara : 18:33

2006年10月 1日

9月のガーデンプランツ

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ガーデンセンターおすすめ/06年 9月ガーデンプランツ

フィゲリウス「イエロートランペット」(別名:ケープフクシャ)              Phygelius aequalis ` Yellow Trumpet ´  南アフリカ原産    ゴマノハグサ科
○セールスポイント
ガーデンプランツに求められるものは花の美しさだけではない。表情や雰囲気も重要。背丈は1m以上になり、淡黄色で細長い筒状花がゆらゆらと垂れ下がるようにして咲く様は独特の表情と雰囲気がある。他の樹木や宿根草と良く調和し、庭の中で見る姿が特に印象的。

○付き合い方
赤花種など種間交雑による園芸種も多いがどれも性質は変わらない。日当たりで湿り気を好む。屋外で地植えに出来るが、夏は半日陰になる塀や樹木の側が良い。寒さには極めて強いが、地上部は痛む。春に古い茎を地際近くまで切り戻し新たな茎を出させる。株は吸枝で殖える。


ガイラルデア「イエロープルム」(別名:天人菊) Gaillardia pulchella `Yellow Plume ´
                    北アメリカ南部原産      キク科
○セールスポイント
赤に黄の一重咲種はよく見る。本種は八重咲き。キク科植物の花は舌状花と筒状花からなり、一般的には舌状花が増える事により八重咲きとなる。ところが本種の場合は異なる。舌状花を捨て筒状花一つ一つが5弁の花に進化し、全体で1輪の八重花を作る。ヤグルマギクも同様。


○付き合い方
明治の頃渡来し、先人達が付けた名が「天人菊」。その名を大切にしたい。先人の見たものは花よりも茎や葉であった事に気がつく。それを天女の羽衣に見立てた。秋か春に蒔くと春~初夏から秋まで咲き続け、1~2年で枯れる。寒さに強い1年草。タネは筒状花の為、良く採れる。


エチナセア「ホワイトスワン」(別名:紫馬簾菊、コーンフラワー)         
    Echinacea purpurea `White Swan ´ 北アメリカ東部原産    キク科
○セールスポイント
基本種は紫花。本種は白花変種。舌状花は蕾の上で円形に整列、そして成長しながら横に広がる、更に下方に垂れ下がる。それを日本人は纏の馬簾に見立て「紫馬簾菊」と名付けた。花芯部の筒状花は黄金色に輝き、円錐形に肥大。西洋人はコーン(円錐)フラワーと名付けた。

○付き合い方
ルドベキアなど似た花は多い。しかし本種には不思議な魅力がありナチュラルガーデンにピッタリ。日当たりと排水の良い広い場所に地植えにする。鉢植えの場合は最初6号、後10号以上の深鉢。この花を見ながら、江戸の街で火消しが威勢良く回した馬簾を思い起こして欲しい。


セイヨウニンジンボク(西洋人参木) 英名:Chaste Tree    Vitex agnus-castus   
             欧州南部、西アジア原産         クマツズラ科
○セールスポイント
木は大きくなって困る、剪定した枝の処理も、と言われる人が多くなった。そんな人におすすめが本種。落葉低木、葉は細裂し掌状、良い香りがする。麻薬に使う麻(アサ)の葉に似るが花を見て安心。古代ローマ時代から人との関わりは深く、英名はチェストツリー(貞節の木)。

○付き合い方
若木でもよく花が咲き、5~6号の深鉢で育てるのも良い。地植えは場所を取らないよう、立ち上がりは1~2本の幹で、上方で枝を出させる。樹高は3m位でおさまる。場所は日当たりか半日陰で、適度な湿り気があり、冬は寒風の当たらない所が安全。果実は女性薬として有用。

スズカケソウ(鈴掛草)     Veronicastrum villosulum            
             岐阜県西濃地方に自生          ゴマノハグサ科
○セールスポイント
牧野富太郎博士は岐阜県西濃地方の竹林に僅かに自生とした。今日では他県でも確認されているが絶滅危惧種。江戸時代には園芸植物として栽培。幕末に来日したロバートフォーチュンは庶民も路地裏で園芸を楽しんでいる日本人を見て驚いた。そこに本種もあったのかもしれない。

○付き合い方
半日陰を好む常緑蔓性多年草。5~6号の深鉢に植える。茎はアンドンなど支柱に登らせるのも良いが下垂させるか、這わせるのが自然。庭では石組の上などに植え、茎が垂れ下がるように伸ばす。直射光を避け、適度な土壌と空中の湿り気を保つ事が重要。乾燥による葉ダニに注意。

Posted by admin at nagara : 09:41

2006年4月30日

もももアスター、ウワミズザクラ、梅花唐松草

4月中下旬、身近に咲いた花を紹介します。
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Posted by admin at nagara : 11:28

2006年3月 6日

ぎふきた法人会報「篝火」表紙写真植物解説(ナノハナ、日本水仙、ユキノシタ、トキソウ、冬ボタン、スイフヨウ)

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    スイフョウ(酔芙蓉)

   Hibiscus mutabilis f,versicolor アオイ科

忙しさに充実感を抱きながら生活をしてきた者が、仕事をしなくてよくなったからと言って1日何もしないで庭の花を見つめているなどという事はできない。しかしたまにはそんな1日をおくってみたい。
 花には朝、咲く花、昼に咲く花、夜に咲く花、そして朝に咲き、昼や夕方には萎んでしまう花。また時間と共に花色が変わる花、等々。庭の中では花達の1日のドラマがあります。
 朝、白色の花が咲き、その花が昼頃にはほんのりとした薄桃色に、夕方には赤色に変わる。そして翌朝には、昨日咲いた花が赤色、今朝咲いた花が白色と、1本の木に紅白の花が見られる。更に、株元に目をやると、咲き終えた赤色の花が散らばっている。これが「酔芙蓉」です。
 花は八重咲きの為、人の顔のようにも見えます。「酔芙蓉」の名は、人が酒に酔うと顔色が赤くなる、事から付けらた言う。しかしそれだけでは観察不足のような気がします。花は一変に白色が赤色になるのではない。時間をかけながらゆっくりと色を変えていく。朝、蕾がほころび始めた時には、白色、それが、かすかに、少しづつ、少しづつ、色付いてくる。この微妙な色変わりが素晴らしいのです。昼頃になりやっと薄桃色に、そして夕方には赤色になります。それは色白の人が一口、酒を口にして、うっすらと桜色染まっていく様子にも似ています。演歌「風の盆恋歌」には「酔芙蓉」が歌い込まれています。作詞された、なかにし礼氏はそのようなところを見て、あえて、この花を歌詞に取り込まれたのでしょう。

「蚊帳の中から花を見る、咲いてはかない酔芙蓉………」


        冬牡丹

     Paeonia suffruticosa キンポウゲ科

「春に咲く牡丹が1月、雪が降る屋外の庭で咲いている」と聞けば、誰もが、まさか、と言う。
 今では多くの花が温度とか日照時間を調節したり、ホルモン剤を使ったりして開花時期は自由にコントロールでき、季節はずれの花を見ても誰も驚きません。
 「冬牡丹」は春に咲く牡丹の株を冷蔵庫に入れて眠らせたまま、夏を越し、秋に取り出して、冬に花を咲かせたものを言います。そして、その花は寒さの中、1ケ月位と、長く咲き続けるのです。
 では、「何故、春に咲く、牡丹が冬の寒さの中で咲き続けられるのか?」、それは以外にも簡単。「牡丹の花はもともと、冬の寒さに耐える性質を持っていた…」と言う事だけなのです。
 だからと言って、そのまま、庭に植えて観賞するのではなく。雪が被っては可愛そう…、少しでも寒い西風からも守ってやろう…、との思いから、1株、1株、形の良い、藁囲いがしてある。その光景を見ると、寒さを我慢しながら咲いている牡丹と、それを少しでも和らげてやろうとする暖かい人の心が伝わってくるようで、心が和みます。
 「冬牡丹」によく似た名前に「寒牡丹」があります。これは遠く江戸時代に普通の牡丹の中から冬と春の2回咲く「二季咲き種」が選抜され、それに付けられた名で今日も多くの品種が残っています。しかし開花日のコントロールが難しいのと、牡丹のもつ豪華さがない事などから現代人には人気がありません。そこで我々の先人が冬に牡丹の花を楽しんだのを現代流にしたのが「冬牡丹」なのです。


        トキソウ(朱鷺草)

        Pogonia japonica ラン科

 日本の空に、朱鷺の姿を見る事はもうできなくなってしまいました。しかし日本の大地には朱鷺の羽色をした美しい野生ランが今も自生しています。「朱鷺草」です。
 日当たりの良い、じめじめした草むらの中で、茎を真っ直ぐ上に伸ばし、その中ほどに葉を1枚だけ付けます。それは回りの草に太陽の光が遮られない為であると言われます。花は6月頃、茎の先端部に1輪だけ付けます。花の付け根には小さな葉のようなものが付きますが、これは「包」言って、葉ではなく、花の一部なのです。葉も花も1株に一つ…、何と控えめな花なのでしょう。無駄のない、効率の良い生き方に感心させられます。そしてそのシンプルな草姿、花型は現代感覚にマッチし、共感を呼びます。
 日本全土に自生すると言われますが、自然の中でその姿を見る事はなかなかできません、それを詠んだ歌があります。

 朱鷺草のくれなゐまがふ草の原霧の流れはここまで来ず    松村英一

 花が咲き終わり、夏を越し、秋になると葉は黄変し、地上部は枯れてしまいますが、土中に「根茎」が残ります。「根茎」は芽を中心にして、四方に数本伸び、太くて、養分をしっかり蓄え、翌年の芽出しを待ちます。野生種ですが栽培は「鷺草」と同様、簡単です。水苔だけか、川砂にピートモスを混ぜた用土で鉢植えにして、日当たりで育てます。湿り気を好む為、乾燥させないよう注意して下さい。鉢皿に水を入れておく方法もありますが、時々、溜まった水を換えてやります。一鉢に5~10芽位、植えておくと、花が咲いた時、朱鷺が群がって飛んでいるようで美しく見えます。


    ユキノシタ

Saxifraga stolonifera ユキノシタ科

雪の下白く小さく咲きにけり喜蝶が部屋の箱庭の山
                             白秋           
誰もが、何処かで見た事のある白い花、そのイメージは決して陽気ではない。それは生えている場所が暗く、じめじめしていて、黒い岩などに付着しているから。
江戸時代、町中の人たちは路地裏で園芸を楽しんでいた。ユキノシタは「石付け」にしたり、アワビなど貝殻に植え込んだりして…。今では料亭の庭などで見る。
この花は遠目には白い小さな花弁がひらひらと舞うようにして咲いている。しかし、近寄って一つ一つの花を見ると驚きである。5枚の花弁が同一ではない事に気づく。白く見えるのは2枚だけ、上方には小さいながらも3枚の花弁が凛々しく見栄をはっている。その花弁には桃紅色の見事な模様が画かれている。さらに雄蘂がカンザシのように突き出ており、女形の歌舞伎役者のよう。
ユキノシタは山野に自生する常緑の宿根草であるが、今でも古い民家の回りに、雑草のように生えている。これはこの植物が薬草であり、幼児のひきつけや火傷の治療に使っていた為。
ユキノシタの語源は「雪の下」で「白い花を降りしきる雪に見立て、その下で生きている草」の意。他に「雪の舌」もある。漢名は「虎耳草」。これは花ではなく葉が毛で覆われ、緑色で濃淡の模様がはいる為。日本では「花」、中国では「葉」が語源になっているのも面白い。
ユキノシタの名は「ユキノシタ科」にもなっており、それにはアジサイやウツギ など木のものまでが含まれる。日本に自生するユキノシタ科の植物は21属、約100種をも擁する大家族である。

           ニホンズイセン(日本水仙)

           Narcissus tazetta ヒガンバナ科

越前海岸は岐阜からも近く、誰もが行く観光地。温泉と蟹料理、そして日本海を前にそそり立つ岸壁では、寒風にさらされながら咲く「水仙」が有名。この水仙は他にも、南伊豆の爪木崎、淡路島には水仙郷の等の名所がある。又、農家の庭先や公園の片隅など、日本全国、何処でも見られるのがこの水仙でもある。故に「日本水仙」名が付く。ところがこの水仙、意外にも原産地は遠く、地中海地方。ナポレオンの故郷、シシリー島などと聞いて驚く。日本への渡来は古く平安時代。その来歴はドラマ。水仙の球根や花には、人に有毒な物質が含まれている。その水仙が何故か早い時代にシルクロードを経て中国で広まった。そして海流に流され、日本各地の浜辺に打ち上げられ、今日の群生地が出来上がったと考えられる。そして、安土桃山時代には既に、生け花の「五立花」の一つに数えられ、観賞用の花として重視されるようになっていた。又、身近な所でも地植えにして人々に親しまれ、多くの詩歌に詠まれている。更に「たけくらべ」など、小説にも記されるなど、日本人の生活に深くとけ込んでいる花と言える。
スイセンは「水の仙人」を意味する、漢名の「水仙」が語源。西洋ではギリシャ神話に出てくる、水中に散った美少年「ナルキス」を語源にした名が使われている。ところがこの「ナルキス」には「麻酔」の意もあり、球根が有毒である事を表している。
日本には古く「雪中花」の雅名もあったと記されている。その名の通り、雪の中でもしたたかに咲く数少ない花である。見慣れた花ではあるが、これからも大切にして、生活の中に取り入れていきたいものである。


          菜の花 (別名:ハナナ、アブラナ) 

          Brassica Rapa            アブラナ科
黄色い菜の花が一面に咲いている光景を見ると、昔見た早春の田園風景を思い出す人も多い。それは「ナタネ油」を採る為に水田の裏作で「アブラナ」が栽培されていたから。今日でもその絞り粕は「油粕」となって有用な肥料として利用されている。そして、春の花として歌に歌われ、端午の節句には雛壇に飾る花としてもなくてはならないものになっている。

        菜の花や月は東に日は西に   蕪村

これは安永三年(1774年)三月二十三日に旅の途中、京都で詠んだ句と言われる。ゴマ油や椿油などと共に、菜種油は貴重であり、それを採る為にアブラナは古くから栽培されていた事を物語っている。
ところが今日、切り花用に栽培されている菜の花は縮緬ハナナと称し、縮緬白菜から分離したもの。その為、葉は縮緬状を呈し、蕾を摘んで食用にもなっている。又、春になると木曽川や長良川の広い河川地で一面、黄色い菜の花が咲く景色が見られる。これは「アブラナ」ではなく「カラシナ」が野生化したもの。共にアブラナ科の近縁種である為、花はそっくり。

Posted by admin at nagara : 15:25

2006年1月25日

花材:冬牡丹、寒牡丹、クリスマスローズ・ニーガー、イングリッシュホリー、サザンカ、寒ツバキ、ツクバネ、ツワブキ、レオノチス、千両

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レオノチス          Leonotis leonurus シソ科
南アフリカ原産、多年草、草丈2m位になり10~1月頃、橙色、筒状花が毬栗状になって段々に咲く。寒さには弱く、0℃以下になると地上部は枯れてしまうが、岐阜市では根が残り、翌年芽を出す。「Leon」はライオン。花はライオンのイメージ。英名は「ライオンの耳」。白花もある。茎や葉にはシソ科特有の強い芳香がある。寒くなってから咲く花として有用。それは地中海性気候を原産地にする植物の特性。穏やかな寒さの中で咲く植物、サイネリアなども。

寒ボタン Paeonia suffruticosa     ボタン科
中国原産、落葉低木、牧野植物図鑑にはキンポウゲ科、後にシャクヤク、ボタンはボタン科に分離。中国北西部に自生、薬用にされていた。6世紀頃から観賞用としての栽培が始まり大流行、日本へは、奈良時代に入る。室町時代には新品種も作出され、江戸時代には更に、大流行し今日残る多くの園芸品種が作出され、大量に苗木の生産もなされた。その頃、シャクヤク台に接ぎ木する方法も開発され、一挙に増産され、島根県、新潟県がボタン産地になった。その頃、新たなボタンとして開発されたのが「寒ボタン」。何時の時代も、季節はずれの花を見たい欲望はだれにでもある。分類上では普通のボタンと同じ。その中から、夏の休眠が浅く、9月頃から新芽が伸び始め、12~1月頃に咲くタイプが選抜され「寒ボタン」と言われるようになった。寒ボタンにはかって30品種位あったと言われるが、今日では10種以下になってしまった。代表種が「栗皮紅:紅色八重咲き」、である。そして今日では一部の趣味者が栽培するくらいで殆ど生産されなくなってしまった。今日、冬に見るボタンは春咲きの普通種を抑制栽培により12月頃から咲かせ、鶴ヶ岡八幡宮などの境内で菰に囲われて咲いている姿が有名になった。これは「寒ボタン」をイメージしているだけで「寒ボタン」ではない。その為「冬ボタン」の名で別物(ブランド名)化されている。


ツクバネ(衝羽根)       Buckleya Joan ビヤクダン科
日本各地の樹林下に生える落葉低木、半寄生植物、ヒノキ等の近くで根に付いて養分を得ている。花は淡緑色の小花で目立たないが初夏に咲く。雌雄異株。花後に結実して「ツクバネ」状の実を付け、お正月用の切り花として珍重される。仲間は日本には珍しいビャクダン科に属している。ビャクダンは東南アジアが原産で古くから香りの強い材が得られ高価な日用品として利用されているが、その仲間がこのようなユニークな種になって日本に自生している事は不思議である。

センリョウ(千両)    Chloranthus glabra   センリョウ科
関東以西、東南アジアにまで広く自生、常緑低木。日陰で風の通さない、ややジメジメした場所を好む。センリョウの名は葉が蓼、実が仙物を思わせる事から「仙蓼果」であった。それがいつの間にか、縁起の良い名として万両と共に千両の文字が付けられた。中国名は「草珊瑚」。又、センリョウ科にはヒトリシズカ、フタリシズカ、チャラン、などがある。又、センリョウ科の茎には導管がなく仮導管で水を吸い上げている。それはコショウ科やウマノスズクサ科などと共に、進化の遅れた植物で、被子植物が出現する前に地上に現れた植物で「古草本」と呼ばれる。意外にも生きた化石なのである。その為、一時ワシントン条約に指定された程である。種名にある「グラブラ」は良く使われ、「艶のある滑らかな」の意味。

西洋ヒイラギ  Ilex aquifolium モチノキ科
欧州中南部、北アフリカ、西アジア原産、常緑高木。「イングリッシュホリー」の名で流通。欧州に常緑樹は少なく、しかも冬に赤い実が付く事で貴重。ヤドリギと共にクリスマス飾りに欠かせない。その為多くの園芸種が生み出された。白や黄色の班入葉種、又、実の色も赤の他、黄実種も。又、鋸歯が色々の形で入るものや、丸葉のものなど多数ある。近縁種としては、葉形が四角い「チャイニーズホリー」また、小型の「アマミヒイラギ」がある。同じヒイラギ(柊)でも、日本で魔よけに使われているものはモクセイ科で全くの別物。美しい実は付けないし、葉の付き方が違う。

クリスマスローズ    Helleborus niger    キンポウゲ科
欧州原産、常緑多年草、草丈20cm位、花は純白色、5弁花、12~2月頃に咲く。 
学名のヘレボラスとはヘレイン(殺す)、ボラ(食物)、ニゲールは「黒い」の意で、「食べると死ぬ、黒い根」を意味するとおり、紀元前から強心剤や利尿剤としての効果が知られ、更に頭脳を明晰(眠気覚まし)の効果もある事から古代ギリシャの哲学者などが好んで用いていたと言われる。そしてその清楚なで上品な花が修道女達に好まれ、バラでもないのに「クリスマスローズ」の名が付けられた。又、古くは魔よけの植物として戸口に植える習わしが近世まで続いた。
今日クリスマスローの名はヘレボラス属を総称する言葉になっており、特に広く普及している Helleborus orientalis を指す場合が多いが、これは正しくは「ラテンローズ」の名がある。又、最近では種間交雑が盛んに行われ、優れた個体が選抜され、純粋なニゲール種やオリエンタリス種が少なくなりつつある。

カンツバキ(寒椿)     Camellia sasanqua   ツバキ科
寒椿は椿ではない。江戸時代には冬に咲く椿をさしていたが、後に、サザンカとツバキとの自然交雑で出来た園芸種で、「獅子頭」の名が付けられていたものを「カンツバキ」と呼ぶようになり今日に至っている。故に、花はサザンカに似るが花期が遅く、1~2月。樹型は直立せず、多数分枝して半球状の樹型になる。
同じように、冬に咲く椿に意味で「雪椿」がある。これは戦後、本田正次博士により、椿の変種として登録された。その特徴は花型はサザンカに似て半八重咲きになるものが多く、樹型は小型、寒さには意外にも弱く、寒風を嫌う。
ツバキ科の植物には次のような種類がある。
カメリア属:ヤブツバキ(藪椿)、サザンカ(山茶花)、チャ(茶)、トウツバキ(唐椿)
カメリア属以外:ナツツバキ(夏椿)、ヒメシャラ(姫紗羅)、モッコク、サカキ、ヒサカキ、

ツワブキ Farfugium japonicum キク科
表日本では福島県、裏日本では石川県を北限とする常緑多年草、12月頃、黄色の一重花が咲く。葉は肉厚で艶があり観賞価値が高い。その為、花の改良はされず、葉芸に重点をおき育種され、白覆輪、黄班点入り、獅子葉種などの園芸品種が江戸時代に作りだされ、鉢植えや茶室の庭で楽しまれた。又自生地においてはどこも食用として利用されていた、葉柄が蕗と同じようにキャラブキにされた。更にこれには薬効があり魚の中毒や化膿、湿疹などにも有効で民間薬としても重要であった。
その名称については「艶蕗」「厚葉蕗」が語源であると言われる。俳句などでは「石蕗」の文字が使われる。
寒さに強く常緑で冬に花が咲く草花として価値が高く、海外で高く評価されている。

Posted by admin at nagara : 10:53

花材:日本水仙、秋明菊、ツルウメモドキ、シンホリカーパス、ツリバナ、チリメン葉ボタン、寒菊、ボケ、ストック

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シュウメイギク(秋明菊) Anemone japonica    キンポウゲ科
日本各地の山野や集落の周りに生える宿根草、草丈70cm位になり、濃紅色、八重咲き花が秋に咲く。京都の貴船地方にも多くの自生が見られ「貴船菊」の名もある。種名がジャポニカとなったり、ジャパニーズ アネモネの英名があるのは日本で発見され命名された為。原産地は中国、古く日本に渡来した。中国名は「秋牡丹」。今日ではタイワンシュウメイギクとの交雑により多くの園芸品種が作り出されている。又、アネモネ属の日本産の植物に、ニリンソウ、キクザキイチゲ、ハクサンイチゲ等がある。

ツルウメモドキ(蔓梅擬)   Celastrus orbiculatus   ニシキギ科
日本、朝鮮、中国原産、落葉低木、茎は蔓性、樹木に絡まり、松や杉、檜などの造林木を枯らす害樹とも言われる。5~6月頃、緑色、5弁花がひっそりと咲く。花は雌雄異株、雄株は雌蘂が退化、雌株は雄蘂が退化。花後、雌株は結実し緑色の丸味を付ける。秋には裂開し、黄色の皮と赤い実のコントラストが美しい。ツルウメモドキの名は蔓状になり、葉が梅に似る事による。ウメモドキ(モチノキ科)の仲間ではない。秋から冬の花材やリースに有用。

シンフォリカーパス Sumphoricarpos alubs    スイカズラ科
北アメリカ原産、落葉低木、樹高1m位、茎は地面から多数出て、秋から冬に純白色の玉状の実が数粒ずつ、くっつき合って枝先に付く。明治末期に渡来したと言われるが、東北、北海道地方にのみ残る。夏の暑さを嫌う為。英名は「スノーベリー」、日本名は「雪晃木」、どれも殆ど使われない。種名のアルブスはアルバ(白)の意。
本種に近い仲間で日本に自生する植物はキンギンボクやウグイスカグラなどがあるがどれも実は赤い。又スイカズラ科にはニワトコ、ガマズミ、ヤブデマリ、カンボク、ムシカリ、サンゴジュ、ツクバネウツギ、ニンドウ、スイカズラ、ウツギ等が含まれ、大所帯である。

ツリバナ(吊り花) Euonymus oxphyllus  ニシキギ科
日本、韓国原産、落葉低木、樹高、2~3m、茎は湾曲する。6月頃、緑色、小花が房状になり下垂して咲き、秋に大きな丸い実が赤く色づき、後、裂開。そのまま長く垂れ下がり、花のようにも見え、その名が付く。同属種(Euonymus)にニシキギ、マユミ、マサキがある。今日、国内はもとより海外でも高く評価され、ガーデンセンターで流通している本種も過去にはあまり評価されなかったのか、この植物に関する故事来歴は見あたらない。

ハボタン(葉牡丹) Brassica oleracea   アブラナ科
欧州西北部原産、多年草であるが越夏がむずかしく、夏~秋蒔き1年草扱い。キャベツ、ハナヤサイ、コモチカンラン、ブロッコリーと同一種。故にこれらとは容易に交雑する。
200年程前に導入され、日本独自の観賞用草花として改良が進められ、お正月を飾る花として広まった。今日ではキャベツの育種技術を応用し素晴らしいF1種が育成されその価値は高められている。更に矮化剤の使用技術なども進められ、ミニ仕立てが可能になり更に普及するに至っている。

カンギク(寒菊) Chrysanthemum indicum キク科
近畿以西に自生するアブラギク(別名:シマカンギク)から選抜育種されたもので、普通の観賞用菊や切り花菊とは異なる種に属する。開花習性としては短日で花芽分化をするが高温で抑制される為、花期が12~1月になり、寒さに強く、霜が降りても茎や葉は痛まない。

ストック(Stock)         Mathiola incana アブラナ科
南欧原産、秋蒔き1年草、冬の寒さを嫌うが渥美、房総などでは屋外で育ち、切り花栽培がされる。花は一重咲きと八重咲きがあり、八重咲きも栄養系ではなく、タネから育てる。それは、八重と一重の遺伝因子をヘテロに持つ一重咲きの個体からタネを採り、その実生の状態で八重と一重に選抜する。遺伝的技術を駆使した栽培方法と言える。ストックの名はステム(茎)に由来し、茎が太くて剛直で直立する姿から付けられた。

寒ボケ(別名:緋ボケ) Chaenomelis speciosa バラ科
ボケはナシやカリンに近い仲間。そしてボケには中国原産、樹高1~2mになり、3~4月に咲くボケと、日本に自生し、枝は細く、地下茎から多数、茎を出し、樹高60cm位、花は葉が出る前に咲く「クサボケ:別名・シドミ」がある。大正時代にこの両者が交配され多くの園芸品種が作り出された。その中で「クサボケ」の性質を強く受け継ぎ、枝はやや細めで花期が早く、一斉に多くの花が咲くものが本種である。特に、秋に摘葉したり、植え替えしたり、等の刺激を与えると1度に咲き揃う。その寒ボケを更に改良したのが「緋の御旗」


ニホンスイセン(日本水仙)   Narcissus tazetta   ヒガンバナ科
その故郷は意外にも遠く地中海地方、そしてシルクロードを旅しながら中国に入り、更に
海流に流され、日本に渡来、越前、房総、伊豆地方に広まった。シナズイセンや寒咲きスイセンで流通するものもあるが、同一種。花には芳香があり11月頃から咲き始める。今のように花の種類が少ない時代に菊などと共に重要な生け花材料であった。そして室町時代には「雪中華」の名が使われていた。それが後に中国名「水仙華」から水仙の文字が使われるようになった。それは「水の仙人」の方が深い意味がありそうだったからか?。属名のナーシッサスは、水中に散った、ギリシャ神話の美少年「ナルキス」に由来し、スイセンの花はその化身だと。

Posted by admin at nagara : 09:24

2006年1月24日

花材:ライラック、山ユリ、金魚草、トルコ桔梗、花いかだ、スイトピー、マーガレット、カリフォルニアポピー、アイスランドポピー

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カサブランカ Lilium Oriental Hybrida Casa Blanca          ユリ科
日本はユリの宝庫、野生でありながら素晴らしい花を咲かせる種類が沢山ある。特にその華やかな花は海外で人気を博し、野生種のまま大量に毎年輸出された。その第一は「鉄砲百合」、そして「鹿の子百合」、「山百合」等である。それは昭和50年頃まで続いた。ところが日本では百合の品種改良は殆ど行われていなかった。唯一、スカシ百合だけは、江戸時代から品種改良がなされれてきたが、交雑などせず、その種の中での選抜育種であった為、日本の生け花向きの品種で海外向けではなかった。ところが1980年頃、突如としてオランダから日本の山百合と鹿の子百合の交雑により出来たと言う「スターゲイザー」が日本に上陸した。百合の種間交雑は不可能とされていたがそれを成功させ「オリエンタルハイブリッド」なる系統を作り上げてしまった。その基はアメリカで成功しそれがオランダに渡り更に進化したのである。その約3年後、またまた白花大輪花の「カサブランカ」が上陸した。一躍有名になり憧れの花としてもてはやされ、それは丁度バブル期でもあり、1本が1万円もの値段で取引された。その後値段は安くなったが未だに人気は衰えず、花も球根もよく売れている。


トルコキキョウ    Eustoma russellianum リンドウ科
北アメリカ、コロラド、テキサス原産の多年草。旧属名 Lisianthus からリシアンサスの名で呼ばれる事もある。導入は昭和初期にさかのぼりその時に「トルコ桔梗」の名が付けられようであるが、あまり普及しなかった。戦後、長野県で切り花栽培が始められたが背丈は低く、花色は紫系のみであまり普及しなかった。それが昭和40年代中頃から、農家や種苗会社ご挙って育種を手がけ背丈が伸び、ピンク色の花をつける品種などが作出され一挙に主要な切り花へ変身した。それはアメリカ原産の花を日本が園芸種に育て上げた、珍しいケースと言える。最近では八重咲きの青色花なども作出され、花だけを見ていると、「幻の青いバラ」にも見え、話題を振りまいている。但し、名前に偽りがあるのが残念、広まってしまえば名前なんて何でも良いのかもしれないが、アメリカ原産なのにトルコ、リンドウ科なのに桔梗の名が付く。

キンギョソウ(金魚草)  Antrrihinum majus ゴマノハグサ科
南欧、北アフリカ原産、多年草、19世紀に欧州で栽培されるようになり、豊富な花色と八重咲き種などもあり、栄養系種(宿根草)として扱われていて。それが20世紀になると種子繁殖による1年草として扱われ、秋に蒔き、春に咲く長日植物としてとりあつか
われた。その後、アメリカに渡り、長日性の日長感応の鈍い系統が選抜され、温室用で周年切り花栽培が出来るようになった。1930年頃になると優れた品質のF1種も出現し主要な切り花になった。日本への渡来は江戸時代末期と言われ、切り花用に栽培されてきたが、戦後になり日本でもF1種が作り出され、温室栽培により、露地物とは異なった主要な切り花となり、その生産も増大した。名前


スイトピー(Sweet pea) Lathyrus odoratus マメ科
イタリア、シシリー島原産、秋蒔き1年草、17世紀に発見されイギリスとオランダに種子が送られ、栽培されるようになった。19世紀になって豊富な花色の園芸品種も多数作り出された。その後アメリカに渡り冬咲きの温室用種や矮性種が作りだされ、人気の切り花になった。日本へは19世紀(明治)になって渡来し、温室で冬咲き種が栽培され高級な切り花とし人気を得た。冬咲き種は特に香りが強く、スイトピーの魅力はその花色の豊富さと花の香りにある。スイートピーは「香りの良いエンドウマメ」と理解すると大変。これはエンドウマメの仲間ではなく日本に野生する「レンリソウ」の仲間。故に属を異にする。スイトピーの種子を食べると、けいれんや失神を引き起こす為、要注意。


ライラック(Lilac)   Syringga vulgaris モクセイ科
原産地はブルガリア、トルコ地方。栽培の歴史は16世紀中頃、トルコからフランスに持ち込まれた事に始まる。当初は青紫色1色であったが17世紀には白や濃紫色種も出現し、更にラシニアータ種との種間交雑も行われ園芸種の基礎が作り上げられた。その為、仏名のリラ(Lilas)の名がよく似合う。その後フランスからイギリスに渡りライラックの名で、ヨーロッパ全体、特に北欧、ロシアにも広まり多くの人たちに親しまれるようになった。更に植民地時代のアメリカにも渡り耐寒性の強いアメリカ種が生まれるなどしてニューイングランド地方で多く植えられた。長年西洋人に親しまれてきた花、故に色々な諺も多い。ライラックの花弁は4弁に分かれるが、希に5弁のものもある。この5弁の花を「ラッキーライラック」と言って、その花を飲み込むと愛が叶えられる、との言い伝えが今も残る。また「ライラックのある所のホームがある」などの言い方もあるくらい、どこの家庭でもこの木を植えた。
日本への渡来は明治中頃と言われ、「ムラサキハシドイ」の名が付けられたがその名はあまり使われなかった。また気候的に平地での栽培は難しく北海道でのみ広まった。ハシドイの名は近畿以北の山地に自生する落葉樹で白い花の咲く同属種にハシドイがある為、「紫ハシドイ」となった。
ライラックの繁殖は接ぎ木、その台木ががモクセイ科ではあるが別属のイボタである事は意外である。イボタの仲間は、今「プリベット」が西洋式生け垣やトピアリーにもてはやされる。

ハナイカダ(花筏)        Helwingia japonica ミズキ科
日本の北海道から沖縄、更に中国にまで広く自生、日陰を好む落葉低木。どこにでもある木なのにあまり気がつかない。葉の上に花が咲き、黒い実を着ける、珍しい木。茶花として珍重される。1830年にシーボルトが欧州に持ち帰った。そしてイギリスの書物に書いてある言葉が「花は小さく、何の魅力もない木」と。西洋人には風流が分からないようである。大きな筏を操る船頭をこの花や実に見立たてた。今ではそんな光景は見られない。花は雌雄異株。雌花は4弁で1枚の葉に1個、雄花は3弁で1枚の葉に数個が相乗り。1株では実は付かない。葉の上に花や実を付ける植物がも一つある。「ナギイカダ」である。筏の風情はない。花の咲き方は珍しいが、どこにもある植物と言う事で生活色豊か。色々な名で呼ばれている。ヨメノナミダ、イボナ、アズキナ、ママコナ、等々、「ナ」と付くのは「菜」でこれの若葉が食用になる為。


マーガレット(Marguerite) Argyranthemum frutesens キク科
カナリー諸島原産、多年草。18世紀初頭、フランスに渡り品種改良が進められた。別名、パリデイジーの名はその為。よく似たものに欧州原産で日本でも野生化するフランスギク(Argyranthemum leucanthemum)がある。これは別名オックアイデイジーの名もあるが、イギリスでは逆に、これをマーガレットと呼び、マーガレットをオックスアイデイジーと呼んでいる。紛らわしいが、それだけ人々の生活に係わってきた為なのだろう。マーガレットの語源はギリシャ語のマルガリテース、真珠を意味する.。マーガレットの名は語源からも良い印象があり女性のクリスチャンネーム(キリスト教で洗礼式に授かる名前)としてよく使われる。学名のArgyranthemum は Chrysanthemum の旧属名で欧州ではこれが多く使われる。それは一般のキク類と区別する為。日本への導入は明治末期。当時は温室で栽培されていたが後、暖かい房州や伊豆で露地栽培がされるようになった。又、マーガレットと言えば、白い一重の清楚な花をイメージするが、種間交雑による品種改良が進み、大輪種、八重咲き種、黄花種、桃色花種等々、変化に富む。


アイスランドポピー (Iceland Poppy)   Papaver nudicaule ケシ科
北アメリカ、ユーラシア大陸の北部に広く自生。秋蒔き1年草。18世紀に北極圏の探検家がシベリアからモンゴルにかけ広く自生している本種を発見し、北極圏の花のイメージでアイスランドの名を付けられたと思われる。別名、発見された場所からシベリアヒナゲシの名もある。寒さには非常に強い為、暖かい場所なら冬(2月頃)から咲き始める。蕾は毛で覆われ、下を向きながら大きくなり、やがて上向きになると蕾を覆っていた毛の生えた皮が二つに割れ、中から鮮やかな4弁の花が咲く。花茎は細いが剛直、花期は6月頃までと長い。ケシの仲間は多い。

鬼ケシ(オリエンタルポピー)      Papaber orientale
ヒナゲシ(シャーレーポピー、虞美人草) Papaber rhoeas
ケシ Papaber somniferum

カリフォルニアポピー(花菱草)      Eschscholzia californica
ヒマラヤンブルーポピー Meconopsis betonicifolia
チューリップポピー Hannemania fumariifolia


Posted by admin at nagara : 11:34

花材:ツバキ、アルストロメリア、花菜、カーネーション、カスミソウ、カンガルーポー

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ツバキ(椿) Camellia japonica ツバキ科
お正月には「松竹梅」を飾る習わしが今にも残るが、その基は「松竹椿」であったと言われ神社の襖絵などに描かれている。太古の昔、春の花はサクラ、ツツジ、アセビの他にツバキなどが数えられ、特にツバキは古事記や日本書記にも多く記載されている。ツバキの語源は「厚葉木」か「艶葉木」と言われている。又、「椿」は和字で漢字ではなく、漢字にも「椿」はあるがこの植物はセンダン科の「チャンチン」である。今日ツバキと言われる花は殆どが園芸種で江戸時代以降に作りだされたものである。その基になった野生のツバキは「ヤブツバキ」と称し青森が北限とされ、北海道に自生はない。ツバキの品種改良は全国各地で行われそれぞれの地域の特色のある品種が生み出された。それは「江戸ツバキ」「京ツバキ」「中京ツバキ」「肥後ツバキ」等である。茶花で人気の「ワビスケ」があるが、これは独特の形質をもちヤブツバキとは別物であると言われるが来歴は謎に包まれている。樹齢350年と推定されるその古木は京都、大徳寺に今も残る。ツバキの品種改良は今日も盛んで種間交雑や外来種の導入により様変わりしてきた。

ハナナ(別名:菜の花、ナタネ、アブラナ)  Brassica campestris アブラナ科
黄色い菜の花が一面に咲いた光景を見ると、昔見た早春の田園風景を思い出す。それは「ナタネ油」を採る為に水田の裏作で日本全国何処でもアブラナが栽培されたからである。又その絞り粕は油粕として今日でも有用な肥料に使われている。以来、春の花として歌に歌われ、端午の節句には雛壇に飾る花としてももてはやされている。今日切り花用に栽培されているハナナは縮緬ハナナと称し縮緬白菜から分離したものと言われている。これは蕾を摘んで野菜用にも用いれている。最近春になると河川の広い敷地が一面に黄色い菜の花が咲く。これを見て、昔、田圃や畑で見た菜の花畑を思い出す人も多いがこれは「アブラナ」ではなくカラシナが野生化したものである。共にアブラナ科の近縁種である為、花は変わりない。


アルストロメリア Alstroemeria hybrida   アルストロメリ科
南米のチリ、ブラジルなどが原産地。従来、ヒガンバナ科に属していたが、独立したアルストロメリア科に分かられるようになった。その多くの原種を基にイギリスやオランダで品種改良が行われ切り花用の優れた品種が多数作り出された。それらは昭和40年代にオランダから導入され、一挙に広まり、今日では切り花用主要花卉に成長した。導入当時、切り花用の優良品種は全てパテントが付けられ、パテント料の支払いが必要になる事と同時に、勝手に殖やさせない事などの条件が付けられていた。またそのような制度は当時、欧州、アメリカにおいては浸透していたが日本に於いてはそのような制度はなく対応に苦慮した。時には数千本以上のまとまった数量を一度に購入せなくてはならず、当時の農家は面食らった。しかし、今日では他の花卉も含めそのような制度は浸透し、日本の花卉種苗の品質は世界的なものになった。ところがこれとは別に何時の頃に日本に入ってきたのか、農家の庭先などで「ユリズイセン」の名で植えられているものがある。これはアルストロメリアの原種、「プルケラ種」で大変丈夫で、屋外で容易に年を越し毎年咲いてくれるが、切り花用園芸品種に比較すると花は小さい。

カンガルーポー(Kangaroo Paw) Anigozanthos spp ハエモドルム科
オーストラリア西部原産、背丈は1m以上になる、常緑、単子葉の多年草、葉形はアヤメや石菖に似る。花は毛に包まれた珍花。その花型がカンガルーの足に似ている為、その名がある。花期は春から夏。湿地から乾燥地帯にまで自生するが、やや湿り気を好むものが多い。冬は最低温度5℃以上が良い。我が国での栽培の歴史は浅く、昭和46年にニュージーランドから初めて入った。そして昭和48年頃から切り花用に栽培が始まった。花保ち良く、ユニークな花型が新しい花材として人気を呼んだ。導入時はヒガンバナ科に属してしたが今は聞きなれない、ハエモドルム科。これはオーストラリアとニューギニアにある Haemodorum と言う植物とその近縁種からなり、単子葉の多年草で北米と中南米と南アフリカ、豪州にのみ自生。ユーラシア大陸にはない植物の為、なじみが薄い。


カーネーション   Dianthus caryophyllus ナデシコ科
南欧、西アジアに自生する原種を基に14世紀頃、イギリスで品種改良が始まり、後、フランスでも改良が進み、18世紀になり、イギリスではボーダーカーネーションが、19世紀にはフランスで四季咲き性のマルメゾン・カーネーションが完成した。これらは何れも実生系で背丈は30cm程度、花色は固定されていた。その後、20世紀になって今度はアメリカ育成された栄養系で四季咲き性のパーペチュアル・カーネーションが作り出され、今日の切り花用温室カーネーションとして発展した。日本への渡来は江戸初期の17世紀頃でオランダ船で持ち込まれ「アンジャベル」また「アンジャ」の名で呼ばれていた。明治になってアメリカから温室カーネーションが導入され切り花用営利栽培が始まり「カーネーション」の名になった。戦後になって鉢植えや花壇でも花が楽しまれるようになり、実生系のボーダーカンーネーションなどを基にミニカーネーションが作り出され鉢植えとして人気を得ている。カーネーションの育種には多くの原種が交雑されて出来上がった訳であるが中国原産のセキチクの交雑により四季咲き性になった事がこの花の価値を大きく高めた。


シュッコンカスミソウ(宿根霞草) Gypsophila paniculata  ナデシコ科
原産地は中央アジア、地下部に多肉質の根茎ををもち、冬はロゼット株で越冬し、寒さに強い。栽培の歴史は浅く、1759年の欧州に紹介され、フラワーアレンジメント用に栽培されるようになった。その後、アメリカで品種改良が進み、今日の品種にもつながる「ブリストル・フェアリー」が育種され栽培が広まった。日本への導入は1879年に在来種が導入されたが西洋式フラワーアレンジメントが普及していない時代で、あまり栽培される事はなかった。また当時はカスミソウの名前ではなく「コゴメナデシコ」の名が使われ、昭和40年発行の牧野植物図鑑にもこの名前で記載されている。今日栽培されている切り花用種の導入は遅く1975年であったが、生活スタイルが西洋化する中、大変な人気を得て一挙に広まった。品種や花色に大きな変化はないが赤花の「レッドシー」も加わった。カスミソウには本種の他に春蒔き1年草の G, elegans が栽培が容易で広く栽培される。そしてガーデニングで人気を得ているなが丈の低い、G, repens がある。それには「ガーデンブライド」などの品種があり寄せ植えに人気。

Posted by admin at nagara : 11:00

花材:クレマチス(ユキオコシ、カザグルマ、テッセン、ドクラーラッペル、ビビアンペンネル、HFヤング、タングチカ、モンタナ、アーマンデー、インテグリフォーリア)

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クレマチス    Clematis hybrida キンポウゲ科
西洋で、バラは庭のキング(王)、クレマチスはクイーン(女王)とまで言われ、どこの庭にもバラと同様に多くのクレマチスが見られる。日本においてはカザグルマが自生するなどして、和風感覚の花でもあり人気はあるが、多くの園芸品種(クレマチス)が庭にあふれるように咲く事はない。ただカザグルマと共に中国原産のテッセンが15~17世紀頃に渡来し各地に植えられ、その栽培の歴史は古い。特に妙心寺、天球院の襖絵に描かれるなどして多くの人に好まれていたようである。欧州のクレマチスの導入は明治末期になってから。西洋におけるクレマチス栽培歴は意外に新しく、19世紀になって、イギリスにおいて、日本のカザグルマや中国のテッセンが初めて導入され、欧州原産のビチセラやインテグリフォーリアとの交雑が行われるようになり、多くの園芸品種が生み出した。そして、夏、冷涼な欧州の気候風土にマッチし、一挙に広まった。今日、我が国でのクレマチスお栽培状況は、アーマンデー、アンスエンシス、などの丈夫な原種や原種の特色を強く受け継いでいる、モンタナ系、ビチセラ系、インテグリフォーリア系、テキセンシス系、ジャックマニー系等が好まれて植えられているような傾向にある。更に最近、ニュージーランド原産種を基にして作り出された常緑性のカルトマニージョーなども出回るようになった。

クレマチス C, hybrida ザプレジデント、クリムソンキング、他
テッセン(鉄線) C, florida
カザグルマ(風車) C, patens  ルリオコシ(桃八重)、ユキオコシ(白八重)
アーマンデー C, armandii アップルブロッサム(薄桃)
モンタナ C, montana アレキサンダー
アンスエンシス C, anshuensis スノーフレーク(白)
シルホーサ C, cirrhosa ジングルベル
ビチセラ C, viticella
インテグリフォーリア C, integrifolia デユランデー
ジャックマニー C, jackmanii エトアールバイオレット
テキシエンシス C, texensis ダッチェスオブアルバニー
カルトマニージョー   C, Cartmanni Joe
センニンソウ      C, terniflora
ミヤマハンショウズル  C, ochotensis

Posted by admin at nagara : 10:19

花材:班入ガクアジサイ、柏葉アジサイ、七段花、アナベル、山アジサイ、クレナイ

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アジサイ Hydrangea macrophylla var Otaksa ユキノシタ科
アジサイは昭和40年代に西洋アジサイ(ハイドランジア)の名のもとに欧州から鉢植え用に改良された優れた品種が導入され、日本原産のアジサイの素晴らしさにだれもが驚いた。その後も優れら品種が導入される中、日本でも品種改良が行われ、優れた品種が多数生まれるようになった。そしてアジサイの本家である、日本古来の園芸品種にも注目されるようにもなった。更には、柏葉アジサイなど、海外の自生種も導入されるなどして、切り花、鉢植え、ガーデン用といろいろな角度から我々の生活の中に浸透してきている。アジサイの語源は「集真藍」で、万葉集にも登場し多くの人の目にとまったものと思われる。ところが平安時代に源順が、中国において白楽天が詩歌の中で「紫陽花」の文字を当てている花があり、それをアジサイと早合点し、誤った名前をつけてしまった。その「紫陽花」はどのような植物なのかは不明。中国名は「八仙花」。またアジサイは「ガクアジサイ」(Hydrangea macrophylla)が全部装飾花になったものを言い、これは野生にはなく、自然発生的に出来たものが庭先で栽培されるようになった物。それをシーボルトが欧州に持ち帰り、日本人妻であり「おたきさん」の名で親しまれていた「楠本滝」から変種名をつけ、ガクアジサイの変種とした。

ガクアジアイ       H, macrophylla
     城ケ崎、墨田の花火
アジサイ        H, macrophylla var Otaksa
     ウズアジサイ
ヤマアジサイ       H,serrata
  七段花、紅萼アジサイ(クレナイ)、アマチャ、
柏葉アジサイ      H, quercifolia      北米原産
アナベル・アジサイ     H, arborescens 北米原産
コアジサイ H, hirta 関東以西
ツルアジサイ      H, petiolaris
タマアジサイ           H, involucrata
台湾常磐アジサイ          H, scandens 台湾、フィリピン原産

Posted by admin at nagara : 07:54

花材:ヒモゲイトウ、アガパンサス、ヤマボウシ、ホウズキ、スモークツリー、ミナズキ

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アガパンサス    Agapanthus  sp   ユリ科
17世紀末頃、南アフリカに自生していたものが、イギリスの持ち込まれた。そしてどのようないわれからか「愛の花」の意をもつ「アガパンサス」の名が付けられた。日本へは明治の時代に入ってきたがあまり栽培される事はなかった。このアガパンサスは背丈60cm位で葉型は小さく、花数も少ない矮性種(A, africanus)であった。その後、背丈1m以上にもなり花茎は太く多花性で多くの園芸品種を含む A, praecox が導入され、注目されるようになった。しかし、切り花にしたり鉢植えにして楽しむ事はあまりされず、公園や路側帯などに植えるグランドカバーとしての利用であった。最近はこの花の魅力が再発見されたのか、切り花、鉢植え、そして庭に植える人も多く人気を得るようになった。本種の魅力は何と言っても暑い時期に咲く爽やかな青色花と、直立した花茎の先端で存在感を発揮して咲く事。更には、ブルー系で色の違ったものや白花で花型の良い品種などがある事、そして常緑である事も大きな魅力。
栽培は極めて容易。多少の日陰でも耐え、乾燥した荒れ地でも育つ。寒さにも以外と強く0℃以下になっても株が枯れる事はないが、低温になると葉先から黄変する。

アマランサス(ヒモゲイトウ) Amaranthus caudatum ヒユ科
原産地の南アメリカ、アンデス南部地方では紀元前からこれの種子を穀物として栽培していた。その為、「仙人穀」の名前もあり、ヒマラヤ地方や中国、雲南省などでは今日でも穀物として栽培している。16世紀末、イギリスに渡来し、観賞用に栽培されるようになった。江戸時代末期には日本にも渡来し「紐鶏頭」の名前がつけられたがあまり広まらなかった。ところが最近の前衛的なアレンジメントに好んで使われるようになり大変な人気を得ている。西欧では街中の花壇植えに背丈が高く流動感あふれる本種が使われ目を引く。近年、意外にも花としてではなく、野菜としても注目をあびるようになった。それはこれの葉にカルシュームや鉄分などのミネラルが多く含まれている事がわかり「熱帯のホウレンソウ」ともてはやされるようになった為である。アマランサスは属名であり、同属種には昔から「雁来紅」の名でも親しまれてきた「葉鶏頭」(Amaranthus tricolor)がある。その他に、まだあまり広まっていないが、ヒモケイトウの花穂を上向きにしたような花で「ヒポコンドリアカス」(Amaranthus hypochondriacus)などもあり今後が楽しみ。

ミナズキ Hydrangea paniculata `Grandeiflora ´ ユキノシタ科
初夏に山登りをすると白い花をよく目にする。その一つがノリウツギである。このノリウツギは東北から北海道では里の近くでもよく見る身近な野生の花木。その為、生活にもとけこみ、樹皮から糊をとり紙すきに使ったり、アイヌの女性は髪を洗うのに使った。又この材は空洞になっているため、アイヌ人はパイプに利用した。この花はガクアジサイのように回りだけが装飾花。これが全部装飾花になったのが「ミナズキ」。花が美しい為、古くからアジサイなどと共に家の回りに植えて楽しまれていた。シーボルトもこれに目を付け、2度目の来日時(1867年)に「ミナズキ」を持ち帰っている。そして今日多くの園芸品種が欧州で作出され逆輸入され我々の目を楽しませてくれている。故に正しくはミナズキの改良品種と言う事になる。これらを総称してピラミッドアジサイなどと言っている。

スモークツリー      Cotinus coggygria ウルシ科
近年、草花と共に花木類も変わった植物が多く導入され変化に富んだ「生け花」が楽しめるようになった。それらの植物は珍しさだけではなく、一挙に主役の座に着くものもある。本種もその一つ、「切り花」のみならず庭園用にも大変な人気である。その花はあまりにもユニーク。茎と花をつなぐ花柄(花梗)が花が咲いた後に細い糸状になって多数枝分かれしながら伸び、全体が綿菓子のようになる。それは遠目には煙や霞のように見える為、「煙の木」や「霞の木」の名が付く。そこには褐色で平たく、小さな種子が付くが非常に少ない。その原因は煙状になる前、茎先に円錐状の花穂を付け、淡緑色で小さく目立たない花が咲き、花の多くは雄花で両性花は少ない為である。では何の為に花のない花柄のみが花後に伸び、このように目立つのか、そこに何の役割があるのかは分からない。
自生地はインドや中国の山中の荒れ地。故に肥料分の少ない造成地でもよく育つ。また、仲間はウルシ科。かぶれる事はないが、樹液は臭いがタンニンが採れ、黄色の染料としても使われる。本種の課題は繁殖にある。タネはあまりできず効率が悪い。挿し木はできない。「取り木」か「根挿し」しか方法がない。

ホオズキ(鬼灯、酸漿)     Physalis alkekengi ナス科
ホオズキはお盆の花として誰もが知っている花であるのに、分からない事が多い。まず原産地であるが、昔から日本人の生活にとけ込み、身近に何処にでもある植物であるにもいかかわらず、野生はない。どうも東南アジアから渡ってきたものらしい。また名前であるがいろいろな説がありどれが本当か分からない。牧野富太郎博士は「ホウ」というカメムシがよく付くからだ、と言っている。また、陰暦の7月(文月)に飾る盆提灯を文月提灯と言っていた事により、フミツキがフウズキ、さらに、ホオズキになったとの説等もある。ホオズキが書物に登場するのは平安時代の「栄華物語」からであるから千年の昔にさかのぼる。しかも花としてではなく、実をギュウギュウと鳴らして遊んだ事が載っていると言うから面白い。そういえば、昭和30年代頃には女の子がそのように事をして遊んでいた事を思い出す。ホオズキがお盆の花になったのは江戸時代かららしい。夏になると「文月市」が各地に立ち、夏に必要な団扇などの他にお盆に飾る「文月提灯」などが売られていた。それからこの提灯の代わりに提灯のような形をした実のホオズキが使われるようになったと考えられる。故に今、浅草の浅草寺で行われる「ホオズキ市」の起源は「文月市」であり、幕末の頃からであった。そしてその頃はホオズキを薬草としても売られていた。またホオズキが今のように多くお盆の花として使われるのは単に提灯に似るだけではなく。袋の中にある赤い実を祖先の霊魂が蘇ったものとしてとらえられているからとも言われる。またホオズキの袋は花が咲いた後、萼片が成長し作り上げた物。   

ヤマボウシ(山法師)    Cornus kousa ミズキ科
夏に山登りをし、ちょっと一休みしながら谷を見下ろすと白い花で覆われた樹木を目にする事がある。ヤマボウシである。ヤマボウシはハナミズキに近い仲間で日本原産の植物である。ハナミズキは葉に先立って花が咲く為、花が良く目立つがヤマボウシは葉が出そろってから咲く為、下方から見上げると葉に隠れて花が見えない。ヤマボウシの名は中心部にある丸い蕾を坊主頭に、周りの白い苞(ホウ)を頭巾に見立てて、その名がついたと言われる。日本原産の花木でありながら、花が書物に出てくりことはない。それよりも材が堅くて光沢がある為、樫の代用にしたり、櫛や下駄、曲げ物、等に使われてきた。そして特徴的なのは実にある。花はハナミズキに似ているが実は全く異なり、秋になると苺のような赤い実が付き柔らかくて甘みがあり美味しい。森の動物達にとっては最高の食べ物だろう。そして秋は紅葉もすばらしい。園芸種として積極的に品種改良が行われた訳ではないがミルキーウエーやチャイナガールの他に赤花のサトミなどの園芸品種もある。

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2005年11月25日

10月の花(ワイルドオーツ、シュガーバイン、千日小坊、ペニセタム「銀狐」、スノーサンゴ)

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ペニセタム「銀キツネ」 Pennisetum villosum 熱帯アフリカ原産  イネ科
○セールスポイント
銀緑色の細葉から成る半球状の株の中から多数、花茎が出て、先端部に白くて柔らかな花穂がうなだれるように咲く。それは銀狐の太い尾の様で美しい。草丈は1m程度で手頃、狭い庭でも楽しめる。アフリカ原産でありながら、寒さに強く、屋外で越冬する。

○付き合い方
日当たりの良い屋外で地植えにすると年々株が大きくなり成長が楽しめる。そして、葉や花穂がカールする為、傾斜地に植えると特によく映る。グラス類の中でも、本種は小さなポット苗でコンパクトな草姿で花穂も楽しめる為、鉢植えや秋の寄せ植えに最適である。


スノーサンゴ Solanum pseudocapsicum      園芸種     ナス科
○セールスポイント
班入の小葉が密に付いたコンパクトな株に白から黄色、そして橙色に変色した丸実が幾つも付く。そのグラデーションが素晴らしい。フユサンゴの変異種で、そのイメージは一新。夏の間も枝は伸び過ぎず安定した草姿。冬の寒さに強く、日陰にもよく耐える。

○付き合い方
1年中、屋外の気象条件にも十分耐え、地植えも可能であるが、草姿が小型でコンパクトな為、鉢植えか寄せ植えにして楽しむのが良い。夏はできるだけ日の当たる場所で健全に育てれば、冬は日の当たらない室内でもよく保ち、寒さにも耐える。


ワイルドオーツ Chasmanthium latifolium    北アメリカ原産    イネ科
○セールスポイント
細い釣り糸のような花茎を湾曲させ、その先に濃緑色で平たい小判状の実がいくつも垂れ下がる。風に揺れるその風情