2006年1月25日
花材:日本水仙、秋明菊、ツルウメモドキ、シンホリカーパス、ツリバナ、チリメン葉ボタン、寒菊、ボケ、ストック

シュウメイギク(秋明菊) Anemone japonica キンポウゲ科
日本各地の山野や集落の周りに生える宿根草、草丈70cm位になり、濃紅色、八重咲き花が秋に咲く。京都の貴船地方にも多くの自生が見られ「貴船菊」の名もある。種名がジャポニカとなったり、ジャパニーズ アネモネの英名があるのは日本で発見され命名された為。原産地は中国、古く日本に渡来した。中国名は「秋牡丹」。今日ではタイワンシュウメイギクとの交雑により多くの園芸品種が作り出されている。又、アネモネ属の日本産の植物に、ニリンソウ、キクザキイチゲ、ハクサンイチゲ等がある。
ツルウメモドキ(蔓梅擬) Celastrus orbiculatus ニシキギ科
日本、朝鮮、中国原産、落葉低木、茎は蔓性、樹木に絡まり、松や杉、檜などの造林木を枯らす害樹とも言われる。5~6月頃、緑色、5弁花がひっそりと咲く。花は雌雄異株、雄株は雌蘂が退化、雌株は雄蘂が退化。花後、雌株は結実し緑色の丸味を付ける。秋には裂開し、黄色の皮と赤い実のコントラストが美しい。ツルウメモドキの名は蔓状になり、葉が梅に似る事による。ウメモドキ(モチノキ科)の仲間ではない。秋から冬の花材やリースに有用。
シンフォリカーパス Sumphoricarpos alubs スイカズラ科
北アメリカ原産、落葉低木、樹高1m位、茎は地面から多数出て、秋から冬に純白色の玉状の実が数粒ずつ、くっつき合って枝先に付く。明治末期に渡来したと言われるが、東北、北海道地方にのみ残る。夏の暑さを嫌う為。英名は「スノーベリー」、日本名は「雪晃木」、どれも殆ど使われない。種名のアルブスはアルバ(白)の意。
本種に近い仲間で日本に自生する植物はキンギンボクやウグイスカグラなどがあるがどれも実は赤い。又スイカズラ科にはニワトコ、ガマズミ、ヤブデマリ、カンボク、ムシカリ、サンゴジュ、ツクバネウツギ、ニンドウ、スイカズラ、ウツギ等が含まれ、大所帯である。
ツリバナ(吊り花) Euonymus oxphyllus ニシキギ科
日本、韓国原産、落葉低木、樹高、2~3m、茎は湾曲する。6月頃、緑色、小花が房状になり下垂して咲き、秋に大きな丸い実が赤く色づき、後、裂開。そのまま長く垂れ下がり、花のようにも見え、その名が付く。同属種(Euonymus)にニシキギ、マユミ、マサキがある。今日、国内はもとより海外でも高く評価され、ガーデンセンターで流通している本種も過去にはあまり評価されなかったのか、この植物に関する故事来歴は見あたらない。
ハボタン(葉牡丹) Brassica oleracea アブラナ科
欧州西北部原産、多年草であるが越夏がむずかしく、夏~秋蒔き1年草扱い。キャベツ、ハナヤサイ、コモチカンラン、ブロッコリーと同一種。故にこれらとは容易に交雑する。
200年程前に導入され、日本独自の観賞用草花として改良が進められ、お正月を飾る花として広まった。今日ではキャベツの育種技術を応用し素晴らしいF1種が育成されその価値は高められている。更に矮化剤の使用技術なども進められ、ミニ仕立てが可能になり更に普及するに至っている。
カンギク(寒菊) Chrysanthemum indicum キク科
近畿以西に自生するアブラギク(別名:シマカンギク)から選抜育種されたもので、普通の観賞用菊や切り花菊とは異なる種に属する。開花習性としては短日で花芽分化をするが高温で抑制される為、花期が12~1月になり、寒さに強く、霜が降りても茎や葉は痛まない。
ストック(Stock) Mathiola incana アブラナ科
南欧原産、秋蒔き1年草、冬の寒さを嫌うが渥美、房総などでは屋外で育ち、切り花栽培がされる。花は一重咲きと八重咲きがあり、八重咲きも栄養系ではなく、タネから育てる。それは、八重と一重の遺伝因子をヘテロに持つ一重咲きの個体からタネを採り、その実生の状態で八重と一重に選抜する。遺伝的技術を駆使した栽培方法と言える。ストックの名はステム(茎)に由来し、茎が太くて剛直で直立する姿から付けられた。
寒ボケ(別名:緋ボケ) Chaenomelis speciosa バラ科
ボケはナシやカリンに近い仲間。そしてボケには中国原産、樹高1~2mになり、3~4月に咲くボケと、日本に自生し、枝は細く、地下茎から多数、茎を出し、樹高60cm位、花は葉が出る前に咲く「クサボケ:別名・シドミ」がある。大正時代にこの両者が交配され多くの園芸品種が作り出された。その中で「クサボケ」の性質を強く受け継ぎ、枝はやや細めで花期が早く、一斉に多くの花が咲くものが本種である。特に、秋に摘葉したり、植え替えしたり、等の刺激を与えると1度に咲き揃う。その寒ボケを更に改良したのが「緋の御旗」
ニホンスイセン(日本水仙) Narcissus tazetta ヒガンバナ科
その故郷は意外にも遠く地中海地方、そしてシルクロードを旅しながら中国に入り、更に
海流に流され、日本に渡来、越前、房総、伊豆地方に広まった。シナズイセンや寒咲きスイセンで流通するものもあるが、同一種。花には芳香があり11月頃から咲き始める。今のように花の種類が少ない時代に菊などと共に重要な生け花材料であった。そして室町時代には「雪中華」の名が使われていた。それが後に中国名「水仙華」から水仙の文字が使われるようになった。それは「水の仙人」の方が深い意味がありそうだったからか?。属名のナーシッサスは、水中に散った、ギリシャ神話の美少年「ナルキス」に由来し、スイセンの花はその化身だと。

